生まれて初めて服を着た話
朝、いつも通りスーツを着て出社した。その時から何か違和感があった。
午前中働いていて、その違和感が消えることはなかった。「何かがおかしい」と思いながら過ごして、昼休みになった。
行きつけの定食屋でお昼ご飯を食べ、多少汗をかきながら職場に戻ってきた際に、違和感の正体に気付いた。
肩がピッチリしている。
肩幅が大きくなっていたのである。
筋トレを初めて1ヶ月半、こんなに早く分かりやすい変化が起こるとは思っていなかった。3年半前、入社時に買ったワイシャツが、ピッチピチになっている。
「服に着られている」という言葉がある。
サイズ等を原因として、服を着こなせていない様を指す言葉である。
私は、これまで生きてきた25年間、まさに「服に着られている」状態だった。肩幅の小さいガリガリにとって、ワイシャツ1枚のクールビズほど似合わないものはなかった。
それが、たった1ヶ月半の努力で変わった。
私は今日、生まれて初めて「服を着た」のだ。
自分の努力が報われていることに感動した。
「服を着る」ことの喜びに到達できたことが嬉しかった。
今までは、「実質全裸」で生きてきたのだ。
そう思うと興奮してきた。
とりあえず今日は、肩幅が広くなった記念として、ヤバイTシャツ屋さんの「肩 have a good day」を聞いてから寝ようと思う。