まめもやしの成長を見守るブログ

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近所の立食い蕎麦屋の話

金曜日の夜である。

今週は残業に残業をかさね、もはや残業が本業なんじゃないかと錯覚するほどに残業をしていた。

さて、残業と何回言ったでしょう?

こんなクイズとも言えないクイズはさておき、今週は平常時の10倍程度残業をした。残業0時間の時ですら、精神安定のための漢方薬を飲んでいる私としては、今週は地獄のような日々だったと言える。

いよいよ週末だ。こんな週の終わりには、お酒を飲みに行かなければならないだろう。仕事をそこそこのところで切り上げ、飲みに行くことを決意する。しかし懸念点が1つある。それは一緒に飲みに行く人がいないことだ。1人カラオケから1人焼肉まで幅広くこなす私でも、1人居酒屋はまだ些か抵抗がある(行ったことがないわけではない)。

悩んだ末、近所の立食い蕎麦屋(兼夜は居酒屋)に行くことにした。ここにはお昼に何度も1人で行っているため、そこまで抵抗がない。

早速店に行き、券売機の前に立つ。お酒2杯とおつまみ一品で1000円の、1000ベロセットなるものがある。これを注文してみる。飲み物は生ビールを、おつまみはモツ煮を選択した。

しばらく黙々と食べ、飲んでいると、店主から話しかけられた。「寒くなってきたから、そろそろ鍋メニュー始めようと思うんだよね。ちっちゃい鍋で1人用のやつ。」

非常に良い考えだと思った。私は鍋が好きだが、お店では3〜4人前でしか売っていないため、家で鍋キューブなどを使って作る方法でしか食べない。店の美味しい鍋を1人で手軽に食べられるというのは魅力的だ。

その旨を素直に伝えると、店主は「家でも店でも味に大差ないよ」と笑った。なかなか気さくな人のようだ。

次いで、「てことはお兄さん独り身?」と聞かれた。「そうです」と答えると、「独り身の方が気楽でいいよ。結婚が1番魅力的なのは、それに憧れている時だよ。」と人生の真理を教えてくれた。弟の魂と右腕、左足が持っていかれた。

その後、店主はタバコを吸うために店の外に出て行った。私は生ビールを飲みながら、点けてあったテレビを見た。

しばらくして、つまみが足りなくなったので、食券を買って店主を呼んだ。きんぴらを頼もうとしたが、戻ってきた店主がきんぴらは売切れだと言ったため、もう一度モツ煮を頼んだ。店主が「そんなにモツ煮美味しかった?」と嬉しそうに聞いてきた。「美味しかったです」と返した。事実、とても美味しかった。2杯目の生ビールと追加注文したモツ煮を飲食し、ゆっくりと味わった。1人で飲む楽しさも一緒に味わった。20代半ばにして孤独のグルメのようなことをしているな、と思ったが、孤独のグルメではお酒を飲まないため勘違いだった。

お酒を飲み終え、〆に蕎麦を注文した。生卵もトッピング注文した。シンプルながら香り高い蕎麦は、〆に最適だった。

そんなこんなで、無事に1週間を〆ることが出来た。ちょうどよく酔っ払えており、これで2000円だから素晴らしい。次は1人用鍋を食べにこようと決めた。