まめもやしの成長を見守るブログ

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地平線を追いかけて満員電車を降りたみた 紹介

今日は、紀里谷和明先生の「地平線を追いかけて満員電車を降りてみた」を紹介します。

 

今日の記事の構成は以下のとおりです。

  1. こんな人におすすめ
  2. 読みやすさ
  3. 内容の要旨

 

1.こんな人におすすめ

この本は、「自分と向き合うことで人生が変わる」ということをテーマにしており、5つの物語を通して、それぞれ①成功したい人②自分を好きになれない人③やりたいことが見つからない人④仕事がうまくいっていない人⑤人生をあきらめかけている人が、自分自身と向き合うことで人生を好転させていく様子が書かれています。

そのため、人生に悩んでいる人全般におすすめです。

 

2.読みやすさ

読みやすさ:☆☆☆☆(5段階)

この本は、ある劇場の支配人と悩みを抱えた登場人物が対話する形式でストーリーが進んでいきます。対話のテンポがよく、情景描写も分かりやすいため、かなり読みやすく、あまり読書をしたことのない人にもおすすめです。

☆5でない理由は、内容が濃く、文字数が多いために読むのに少し時間がかかるからです。もっとも、これだけの内容の濃いものをここまで読みやすくしている作品はあまりないと思うので、かなりおすすめの作品です。

 

3.内容の要旨

以下、内容の要旨を書いていきます。

 

第1話 成功したいあなたへ

 

自分の本当の欲求は何か、その欲求は本当に自分のものなのか

 

第1話の主人公は、とにかくお金を稼ぎたいのだと言います。それに対し、支配人は、なぜそんなにお金が欲しいのかを問います。主人公は以下のような経過をたどり、自分の気持ちを整理します。

お金が欲しい

→お金があった方がモテるからだ

→よくよく考えてみると、もちろんモテるに越したことはないが、モテたくてモテたくて仕方がないという訳ではない

→自分は、綺麗な女性にモテることによって同性に羨ましがられたいのだ

つまり、主人公の欲求は、「お金がほしい」ではなく、「他人より優越して羨ましがられたい」だったのです。

しかし、支配人は、そうした欲求は本当の意味で自分の欲求とはいえないと言います。

「他人より優越して羨ましがられたい」というのは、他人を軸とした考え方であり、他人と比較することでしか達成できないものです。しかし、自分の欲求とは、自分を軸としたものなのです。

自分の欲求が何かということを突き詰めて考えた結果、それがお金や異性だったというのであれば、必死に手に入れる努力をした方が良いでしょう。

しかし、他人を軸とした考え方のために、貴重な自分の人生の時間を費やしてはいけません

しっかりと自分と向き合い、自分の本当の欲求は何かを理解してから、それを手に入れるために自分の人生を費やしましょう。

 

 

第2話 自分を好きになれないあなたへ

 

「大人の心」と「子供の心」

 

人の心には、「大人の心」と「子供の心」が存在します。

「大人の心」は、常に損か得か、安全か危険かということを気にして、合理的な判断をする利己的な存在です。別の言い方をすると、人と比べて優位に立っていれば安心だと感じる心です。

「子供の心」は、明確な形を持たない曖昧なもので、「好き」「嫌い」「楽しい」「悲しい」といった感情に根差した心を言います。別の言い方をすると、人の目なんて気にせずやりたいことをやる心です。

 

あなたが自分を好きになれないのは、「大人の心」を優先し、「子供の心」をないがしろにしているからです。

あなたは、安心を得るため人より優位に立とうとし、そのため「今のままではダメ」「もっと成長しないと」と考えます。

しかし、その考えは、今の自分自身に対し、「あなたは価値のない人間だ」という言葉を投げかける虐待行為です。自分の心の一部に蓋をし、自分自身に虐待の言葉を投げかけていては、自分を好きになれるはずがありません。

自分の「子供の心」と向き合い、今の自分自身を愛すること

これが、自分を好きになるために必要なことです。

 

 

第3話 やりたいことが見つからないあなたへ

 

夢≠何者かになること

 

「将来は何になりたい?」という質問があります。多くの人が、小さいころにこうした質問をされたと思います。

この質問は、何者かになることを前提とした質問です。

しかし、そもそも何者にもならなくて良いのです。

冒頭のとおり、夢≠何者かになること、なのです。

それでは、夢とはなんでしょうか。

夢とは、自分が真にやりたいと思ってしまったことです。そして、夢が見つからないのは、「やりたいと思ったこと」から目を背ける習慣ができてしまっているからです。

たとえば、「海に行きたい」と思ったときに、「海は遠くて大変だから来年行こう」と考えたり、「転職したい」と思ったときに「転職したら食べていけないから」と言い訳をしたりしています。

夢を見つけるためには、自分がやりたいと思ってしまったことが出てくるのを耳を澄ませて待ち、それが聞こえてきたら即座に行動に移すこと、それをひたすら続けることが必要です。

 

 

第4話 仕事がうまくいっていないあなたへ

 

自分の命をかけてまで、世に送り出したいものがあるか

 

あなたの仕事がうまくいっていないのは、あなたが「自分のやりたいこと」よりも「人の要望に応えること」を優先してしまっているからです。

なぜそうしてしまっているのか。それはあなたが、自分のやりたいことが明確に見えていない状態だからです。本気で「やりたい」と思うことがあるときにそれを殺してしまう意見を受け入れる必要はありません。

 

自分のやりたいことを何としてでも見つけ出すこと

見つけ出したとき、そのわがままを命をかけて通すこと

 

それができれば、あなたの仕事は上手くいくでしょう。

 

 

第5話 人生をあきらめかけているあなたへ

 

人生は、結果を求めて全力で打ち込まなければならないが、結果は重要でない

 

この話では、有名女優になるために奮闘しているものの、その夢をあきらめかけている主人公に対し、支配人が上のようなことを言います。

どういうことでしょうか。

 

そもそも、結果とはコントロールできないものです。もちろん結果を出しやすくするために努力することはできますが、それにより結果が出るかどうかは別の話です。すごく頑張って結果が出ないこともあれば、それほど頑張らなくても結果が出る時もあります。

そのようなコントロールできないものを重視しすぎて、結果が出ないことで自分を卑下するのは無駄なことです。

それでは、何を重視すべきでしょうか。

それは、結果を求めて全力で打ち込んだときの、嬉しさや達成感などの感情です。

これを重視できれば、結果にこだわりすぎるのをやめることができます。

ここで注意すべきは、これは、単に道のりは結果より大切であると言っているわけではないことです。

矛盾のようですが、結果を求めて全力で打ち込むことで初めて「結果が出ても出なくても関係ない」と心から言えるだけの充足感が生まれるのです。

そのため、冒頭で述べた

結果を求めて全力で打ち込まなければならないが、結果は重要でない

という結論が導かれるのです。

 

 

 

以上、紀里谷和明先生の「地平線を追いかけて満員電車を降りてみた」の紹介でした。

長くなってしまいましたが、ご清覧ありがとうございました。